無料会員登録

窪田 陸

株式会社高研 研究所 課長
研究キーワード:高分子化学/有機合成化学/ナノバイオサイエンス/超分子化学/生物有機化学

現在携わっている研究について教えてください

ヒトの組織に重大な損傷などが起きたときに、その損傷を修復できるような強靭性の人工代替材料に関する研究をしています。もう少し具体的にお伝えすると、体の中に豊富にあるコラーゲンという物質を成形して体の中で使えるような強度にする基礎研究をしています。

私が現在研究員として働いている会社は、コラーゲン分野ではリーディングカンパニーを自負しており、コラーゲンに新たな価値を生み出すために、日々探求を続けています。今後開拓できる分野がどこかにないかと考えたとき、再生医療分野であればコラーゲンで勝負できるのではないかと考え、日々研究に取り組んでいます。
私も当社を知る前は、世間一般に浸透している「コラーゲン=化粧品」という認識しかありませんでしたが、研究用の試薬や医用材料など、コラーゲンの独自の使い方に興味を持ち、携わってみたいという気持ちが強くなりました。

研究者が研究を続けていく上で大切だと思うことはなんですか

「一定の期間内に常に成果を出し続けること」です。これができないと、企業でもアカデミアでも、ずっと研究を続けていくのは難しい気がします。
私が今やっているのは基礎研究です。基礎研究というと、すぐに成果を出すのは難しいから、物事を長期的に捉えて短期的な成果を追求する必要はないという印象をお持ちの方も多いかもしれません。しかし民間企業の場合、少なくとも当社では、研究の進みが悪かったり応用分野が不透明な状態が長期間続いたりする場合は、強制的に研究が打ち切られることにもなりかねません。
そうならないために、この研究はどのように使えるのかということを常に意識し、なんらかの成果を出す重要性を改めて実感しているところです。

研究者を目指す博士学生に、メッセージをお願いします

ちょっと偏見が入っているかもしれませんが、研究者はアカデミア志向の強い方が結構多い気がしています。それ自体はまったく問題はないのですが、企業で働くということに関しても、前向きに捉え、もう少し興味を持ってみても良いのではないかと思います。例えば、博士号を取得して企業で働いている人が周りにいたら、その人に話を聞いてみる。「博士でも企業でそれなりにやっていける人もいるのだな」とか「そういうチャンスもあるのだな」というように、視野を広げることに繋がるかもしれません。

私が企業の魅力を挙げるとすれば、自分の研究が開発や製造に回って、いずれ製品になっていくところを見られる点です。自分の研究を具現化するチャンスは、民間企業の方が多いように感じます。そういう意味で、自分の研究を世に残したいという想いがあるなら、民間企業への就職も視野に入れて検討してみたら良いと思います。

また、これは私が製造や開発といった他部門の人と一緒に仕事をする中で気づいたことなのですが、自分が研究してきて当然と思っている化学系の話が、分野の違う製造や開発の人にとっては斬新だったりするんですよね。自分が当然だと思っている知識が、他部署で発生している問題の解決の糸口になることもあるようです。
研究で培った知識や経験は、企業で生かせる機会が意外と多いので、進路で迷うようなことがあれば、アカデミアだけでなく、民間企業についてもじっくり考える機会を持ってみてはいかがでしょうか。

CoA Researcherで
あなたの研究に合った
働き方を見つけよう

まずは無料で会員登録する
一覧ページへ戻る

今すぐCoA Researcherで
あなたの研究に合った
働き方を見つけよう

\ 簡単4ステップで完了 /

まずは無料で会員登録する