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Tips, Top Picks, 体験記

博士学生必読!初心者向け、申請書の書き方

「申請書」と聞くと、博士学生のみなさんは何を思い浮かべますか?学振の申請書や民間助成金の申請書を連想する人が多いのではないでしょうか。「自分もチャレンジしたい!」と思っても、何を書けばいいのか、どのような点に気をつければ良いのか、分からない人も多いかもしれません。

この記事では、大学院生が申請書を書くときにどのような点に気をつければ良いか、私自身の経験を踏まえてまとめてみようと思います。

「知彼知己、百戦不殆」締め切りや必要書類の確認

はじめに、自分が書くところ(研究計画や方法など)以外の必要事項や、施設内での締め切りなどを、自身が所属する施設の外部資金担当に必ず確認してください。また、これが一番大事なことですが、担当部署に申請書を作成・提出することを必ず事前に伝えておきましょう。できれば担当部署に直接出向いて担当者からどんな書類が必要か、所属長の推薦はいつまでに提出してほしいか、など色々教えてもらいましょう。もしかしたら、過去に採択された書類のコピーが閲覧できるかもしれません。「知彼知己、百戦不殆(敵を知り己を知れば百戦危うからず)」の故事のように、勝利(採択)を得るためには事前の情報収集と準備がとても重要です。あとでもっと早く始めていれば、と後悔しないようにしっかりと準備しましょう。

アイデアを書き出してアウトプットの習慣をつけましょう!

皆さんの中には研究テーマや研究背景についてどのように書いたら良いかわからない、という人もいるでしょう。私なりの一つの答えは、自分がおもしろい!と思った論文や総説をまずは参考にしてアイデアを書き出してみることです。そして、自分ならこのように発展させたいとか、自分ならここを深掘りしたいとか、思ったことをまずは殴り書き・箇条書きで書いてしまいましょう。このように、アイデアを出す際にとにかくたくさん書き溜めておくと次のネタ探しにも役に立ちます。私の場合は、とりあえずふとアイデアが浮かんだときにスマホのメモ帳アプリなどに書いています。後で見返すとどうしてそう考えたのかわからない、思い出せない、という事もありますが、たまに「これを考えついた自分は天才では?」と思えるアイデアもあるので、皆さんも是非頭の中にしまい込んだままにせず、何らかの形でアウトプットしてみましょう。

文章を書き出してみましょう!

ある程度、アイデアが固まってきたら文章として成立するように、段落や流れを意識して文章を書いてみましょう。できれば文章作成は体力と気力が充実している午前中に書くのがおすすめです。疲れた状態だと空白が埋まらないストレスが大きくなってしまい、1文字書くのに必要なエネルギーが跳ね上がります。午前中にたくさん文章を書き、昼食後または夕食後にその日に書いた文章をチェックする、というリズムが、個人的におすすめです。

文書が一通り書き終わったら、まずは画面を見ながらで良いので音読してみましょう。誤字脱字や句読点の付け間違いの多さに気づくことができます。暗唱できそうなぐらい声に出して読んでみて、文章に違和感がなくなったら、最後は紙に印刷して再度頭から音読しながら確認してみましょう。

第三者に添削してもらいましょう!感謝を忘れずに

ここまでで、自分なりに良い文章と整った体裁が一つの申請書としてまとまったかと思います。これで完成としてしまってよいのですが、ほとんどの場合、独りよがりな文章となっています。できれば同じ分野の先輩や同僚2名、異分野の知り合い1名に書き上げた申請書を添削してもらいましょう。彼らにあなたのアイデアのおもしろさが伝わらない場合、表現が的確でなかったり、文章の構成が理解しづらかったりと、まだまだ練り込みが足りないということになります。また、研究内容自体に対してもフィードバックがあるケースがあり、研究課題の問いかけに対して異なる解決方策を提案されることもあるでしょう。添削が返ってきたら、まずは感謝を伝えましょう。そして、もらったコメントにしっかり向き合い、改善していくことが大切です。

申請書が完成したら、もう一度確認しましょう

さあ、いよいよ完成が近づいてきました。もう一度、印刷して間違いがないか何度も確認してください。自分の文章には慣れてしまって目が滑るため、口に出して読むのもおすすめです。審査員の多くはWindows環境であることが多いので、特にMac環境で申請書を作成した方は、フォントが正しく表示されているか、図表の破綻がないか、Windows環境で印刷して確認してください。

ここまでくれば、あとは提出するだけです。あなたのアイデアがたくさんつまった最高におもしろい研究の申請書です。仮に不採択であったとしても、完成度の高い申請書であることは間違いありません。次回に改めてチャレンジする際にはもっとおもしろく書けるはずです。博士学生のみなさんが積極的に申請書づくりにトライできることを願っています!

この記事の著者

藤岡 正喜 / Masaki Fujioka

大阪公立大学大学院 医学研究科 特任講師

この記事の編集

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