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アカデミア研究者のポジション探索に!ResearchGateの意外な活用術

博士学生やポスドクが、現在のポジションを後にして、次なるアカデミアポストを見つけるのは簡単なことではありません。”理想的な”ポジションとなれば、より難しい道のりとなるでしょう。ResearchGateは、論文の探索や研究者同士の議論の場を提供する研究者向けのプラットフォームですが、アカデミアポストの探索に有用なツールとしても注目を集めています。しかし、多くの日本人研究者にとって後者の使い方は馴染みがなく、ResearchGateをどのように活用すればポスト探索ができるのかわからない方も多いのではないでしょうか。

この記事では、アカデミア研究者としてのキャリア形成を目指す博士学生やポスドクの研究者に向けて、ResearchGateの活用方法を紹介します。

ターゲットはアカデミア研究者を目指す博士学生とポスドク、にしましょうか

  1. なぜResearchGateを使うのか

  2. プロフィールを作り込む

  3. 求人検索機能を活用する

  4. 質の高い質問をするために

  5. おわりに

なぜResearchGateを使うのか

ResearchGateは、世界中の研究者が互いに繋がり、専門的な意見を交換するためのプラットフォームです。2008年に設立され、現在2000万人以上の研究者に利用されており、1億3500万以上の研究文献にアクセスすることができます。登録されている論文はほとんどダウンロードすることができ、ダウンロード対象外の論文についても、著者に直接リクエストを送ることでアクセスできる場合があります。

ResearchGateには他にも研究者にとって便利な機能がいくつか備わっています。質問機能では、論文の執筆者に技術的な質問をしたり、自分の研究について助言をもらうことができます。これらのやり取りを重ねていけば、自身の研究についての理解を深めつつ、他の研究者とコネクションを築くことができるでしょう。また、求人探索機能では、自身の設定した要件と合致するポストを探すことができます。

自分の研究分野の理解を深め、他の研究者とつながり、研究者ポストの探索にも利用できるため、ResearchGateは博士学生やポスドクの強い味方となるツールです。

プロフィールを作りこむ

ResearchGateのプロフィールは、研究者としての自己紹介の場です。所属、専門分野、学歴などを正確に書き入れ、他の研究者にきちんと認識してもらえるようにしましょう。また、公開された論文や学会での発表、受賞歴は全て記録しましょう。研究活動を活発に行っていることをアピールすることは、研究者としての印象を良くすることに繋がります。

ResearchGateのプロフィール作成は、単なる自己紹介のページ以上の価値があります。研究者としての独自性を強化し、国際的なネットワークを構築する上での重要なステップです。全てのセクションを丁寧に記入し、適切なプライバシー設定を行うことで、より効果的なプロフィール作成が可能になります。

更に具体的な情報を知りたい場合はこちらのYouTube動画も参考にしてみてください。

質の高い質問をするために

ResearchGateを覗いたことがある方には馴染み深いかもしれませんが、このプラットフォームには他の研究者に対して質問をする機能があります。しかし、実際に質問し議論に参加した経験のある方は少ないのではないでしょうか。

Q&Aの機能を利用する上ではResearchGateからガイドラインが発表されており、これを守ることで質の高い議論を交わすことができるようになるはずです。この記事では、その一部を紹介します。

一つ目は質問の意図や背景を明確にすることです。相手が質問の文脈を理解するのに役立つ情報を加えるようにしましょう。質問のタイトルをわかりやすく、簡潔にすることも重要です。

二つ目は適切な文章で質問することです。 質問の内容は散漫にならないよう、一つに集中させましょう。他の科学者とプロフェッショナルなレベルで交流する場所であることを常に念頭に置き、正しいスペル、句読点、文法を使うように心がけることも大切です。

三つ目は、「Recommend (良い投稿に対するアクション)」を送ることです。投稿に対して「ありがとうございます」や「良い質問ですね」とコメントを残すよりも「Recommend」をクリックすることで、プラットフォームが評価されている投稿を選別することができます。

ぜひこれを機に、自身の研究に関する興味や質問を投稿してみてはいかがでしょうか。

求人検索機能を活用する

さて、いよいよResearchGateを利用したポスト探索についてです。

アカデミア研究者として、自身の希望に沿ったポストを見つけるためには、研究内容や環境、年収等、細かい条件まできちんと調査する必要があります。しかし、例えば大学や研究機関の公開している一つ一つの求人情報を見ていては多大な時間がかかってしまうでしょう。ResearchGateではポジション(ポスドク、助教等)、場所、専門分野などにおいて関連するキーワードを用いた検索が可能になっています。この機能を活用することで、効率よくポストの探索ができるようになっています。

またResearchGateでは、自分のプロフィールや関連づけられている論文などの情報から、「興味のありそうな求人」が表示されるようになっています。ResearchGate上のつながりが求人の検索に大きく影響するため、自身の分野の他の研究者との交流、関連するグループへの参加、そして議論への積極的な参加を通じて、存在感をアピールすることも大切です。

さらにResearchGateでは、自身の希望に合致する求人情報が公開された際に通知を受け取ることができます。この機能を利用することで、研究業務に勤しむアカデミア研究者でも受動的に募集中のポジションを知ることができます。大切なチャンスを逃すことなく目の前の研究に集中できるはずです。

おわりに

この記事では研究者としてのキャリア形成を志す博士課程学生やポスドクの方におすすめしたいResearchGateの活用術について紹介しました。ResearchGateは研究者同士の人脈形成や自身の研究を深掘りする上で非常に便利なツールです。今回はその意外な使い方として、アカデミアのポスト探索にも利用できることもお伝えしました。

これまで一般的なSNSが広まる中で、研究者間でのネットワーキングが困難であったというのが現実でしたが、ResearchGateの導入によってその状況は大きく変わりました。著作権等に対して適切に配慮しながら、効率的に研究を進めたり希望のポストを探したりして、ぜひResearchGateをみなさんの研究生活にお役立てください!

この記事の執筆

株式会社CoA Nexus

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