Thursday, October 8, 2026
Essay.

コラム

研究のこと、キャリアのこと— 様々なトピックについて研究者に聞きました

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遺伝子編集治療のボトルネック

CASGEVYのような遺伝子編集治療は、すでに承認され、商業利用も始まっています。CRISPR Therapeuticsの公式発表によると、CASGEVYの2025年の売上は1億1,600万ドルで、同年に64人が投与を受けました。ただし、承認された治療が存在することと、必要とする患者に広く届くことには、なお距離があります。 普及に向けた課題は、「編集精度」「送達技術」「製造能力」「医療制度」の4つに整理できます。ただし、最大の制約は治療方式や開発段階によって異なります。体内で直接編集するin vivo治療では標的細胞への送達が重要になり、CASGEVYのように患者自身の細胞を体外で編集するex vivo治療では、患者ごとの製造と治療施設の受け入れ体制が普及を左右します。 本稿では、この違いを踏まえ、遺伝子編集治療を患者に届けるうえで何が制約になっているのかを見ていきます。なお、疾患の原因に働きかける治療であっても、すべての患者で完治や生涯にわたる効果が保証されるわけではありません。

Oct 08, 2026
Science

遺伝子を「書き換えて治す」時代へ

ゲノム編集とは、DNAの特定の場所を狙って改変し、疾患の原因や発症メカニズムに働きかける技術です。2020年のノーベル化学賞は、「ゲノム編集手法の開発」を理由に、CRISPR-Cas9の研究を進めたエマニュエル・シャルパンティエ氏とジェニファー・ダウドナ氏へ贈られました。 ただし、ゲノム編集医療のすべてが、遺伝子配列を直接、正常な配列へ戻すわけではありません。本稿では、世界初の承認例であるCRISPR-Cas9応用治療「CASGEVY(キャスジェビー)」を中心に、根本治療と商業化をめぐる動きを見ていきます。

Oct 08, 2026
Science

なぜ、今「宇宙テック」が これほど注目されているのか

2026年6月12日、イーロン・マスク氏率いるSpaceXが米ナスダック市場に上場しました。公開価格135ドルに対し、初日の終値は約19%高い160.95ドルとなり、終値ベースの時価総額は約2.1兆ドルに到達。宇宙企業としては異例の規模となる歴史的な上場です。 一方、その日にRocket LabやAST SpaceMobile、Planet Labsなど他の宇宙関連株が大きく下落するなど、市場には早くもSpaceXを軸とした資金の動きが表れました。 かつて国家主導の巨大プロジェクトという印象が強かった宇宙開発は、いまや通信、観測、安全保障、物流など地上の産業とも結びつき、民間企業が巨大な事業機会を競う市場へと変わり始めています。

Aug 25, 2026
Science

フィジカルAI開発のボトルネック

注目を集めるフィジカルAI。その能力を実世界で引き出すうえで、ハードウェアにはどのようなボトルネックがあるのでしょうか。 AIがどれほど高度な判断を下しても、それを実世界での力・速度・位置に変換するのは関節やアクチュエータです。応答の遅れや摩擦・バックラッシュによる動きのずれは、姿勢の立て直しや力加減の精度に影響します。 AIを「頭脳」、関節・アクチュエータを「筋肉・腱」に例えるなら、両者の性能と連携がロボット全体の能力を左右します。 本稿では、公開されている研究論文や学会誌の解説、企業の技術記事、ロボット開発者へのインタビューをもとに、ロボットの関節・アクチュエータ設計で繰り返し指摘される技術的なポイントを整理しました。

Aug 01, 2026
Science

なぜ、今「フィジカルAI」なのか

2026年7月16日、NVIDIAのジェンスン・フアンCEOが来日し、日本の産業界に向けた大型発表がありました。同日の公式プレスリリースで、フアンCEOは「フィジカルAIは次の産業革命であり、それは日本で実現するだろう。富士通、ファナック、安川電機、川崎重工業は、世界にものづくりを教えた企業だ」と述べ、日本の製造業の実力を高く評価しています。別の発表の場では「フィジカルAIという新しいフロンティアは、日本にとって一世代に一度の好機だ」とも語ったと報じられました。

Jul 30, 2026
Science

日本の製造業に広がる、 フィジカルAIの波

フィジカルAIは、ヒューマノイドだけを指す言葉ではありません。産業用ロボットや自律搬送ロボット、検査・ピッキング、建設機械、自動運転、デジタルツインなど幅広い領域を含みます。本稿では、各社の戦略の違いが表れやすいヒューマノイドと産業用ロボットを中心に、日本の製造業各社の動きを見ていきます。

Jul 30, 2026
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